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ヤマトの居場所は、この教室には無くなっていた。 この日から、上履きのない生活が始まる。 親には、言うことが出来なかった。 授業中でさえ、先生の目を盗んで消ゴムや紙ぐすが飛んで来るようになった。 ヤマトは、必死に下を向き耐えるしかなかった。 そんな日々が2週間も続くと、ヤスシ達だけではなく他の生徒達までヤマトに物を投げるようになっていた。 休み時間になると、ヤマトの回りはゴミだらけになっていた。 1カ月もすると誰もヤマトを名前で呼ばなくなり、違う呼び名になった。 そう…ゴミ箱と。
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