序章

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この世は腐敗している。 殆どの人類はその事を知らないまま暮らし、年老いて死ぬ。 ごく僅かな人数がそれを知り、次の瞬間には¨人¨としての機能を失う。 若くして命を落とす者-----事故や病気、自殺-----はそれを知っている。 否、命を落としたからこそ知っている。 世の中は、人間と動物、昆虫や植物の存在で成り立っている。 しかし、誰もそれを疑わない。 ¨目の前に広がる現実¨こそ全てであり、言葉や言い伝えなどを信じる者は少ない。 もし現実を疑う者がいれば、それは白い目で見られるだろう。 周りの目が気になるから疑わない、それは結果として疑っていないに変わりない。 現実を疑うほど馬鹿らしいことは、この世に存在しないのだから。
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