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「お疲れ様」
部屋の奥に鎮座する、大きな机の前には皮革製の椅子に腰掛ける女子生徒がいた。
同じように黒に黄色いラインが入ったブレザーだが、男子のネクタイとは違いリボンを着けている。
鋭く大きな目を持つ少女だが、仏頂面で勿体無い。
白い肌と黒いブレザーの中にある黄色が目立つ。
少女は隼人を一瞥するでもなくノートパソコンを操作する。
「恭華、今日は帰っていい?」
隼人は二階堂恭華(ニカイドウキョウカ)に言い、待つ。
そして恭華の返事は、
「チンタラしといて、それが許されるとでも?」
それだけだった。
本来授業中の学校で、二人は特例として欠席が許されている。
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