プロローグ

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それは、みんなが寝静まった深夜の出来事である。 そのドイツに夥しい数の侵入者が空から降ってきたのである。 もちろん、ドイツ国防軍の管制塔レーダーには映らなかったそうだ。 そして、奴らは住宅の屋根に取りつき、爆弾を設置する。 そして、一斉にある住宅を目指す。屋根がレンガ作りでこの中でも一番高級そうな雰囲気のある家を。 そして、奴らはそのまま塀を超えて玄関まで進出し、そのまま機関銃で鍵を壊す。 その音に、僕らの両親が気づいた。 いや、近所の人たちも気付いたのか、次々と電気がつく。 それを見計らったのか、奴らは何かの操作をはじめる。 次の瞬間、爆弾を設置された家は全て屋根が吹っ飛び、家中が火につつまれる。 僕らの家を残して、あたりは一面の火の海と化した。 その光景を部屋の窓から見たのを僕は覚えている。 その時、父が険しい表情を浮かべて俺の手をひっぱった。 妹も母もいた。 もう僕にはあの時の事は何もおぼえていない。 覚えているとすれば、妹の鳴き声かな。 そして奴らが二階まで侵入してきた。 父さんは、どっかから持ってきたのか手にアサルトライフを持っている。 僕は、母に促されて二階の隠れ部屋に居た。 妹と母と一緒に。 そして、父のどなり声を聞いた。 久しぶりに怒る父の声と。 なんか若い女の声を聞いた。おそらく侵入者だろう。 聞きたくない音を耳にする。 銃声を聞いた、3弾も聞いた。 妹が泣いていたせいで、隠れ部屋も見つかってしまった。 必死に泣くのやめさせようとしたけれど、 そして次に侵入者は。 隠れ部屋への入り口を見つけたらしく、僕の目の前にあらわれる。 そして目の前で母がうたれる。 僕はもう悲鳴も何も叫べれなかった。 そして奴らが妹を連れて行くのを目にして、 次の瞬間、俺の後ろに気配を感じた。 「すまない。遅れてしまったようだね、少年」
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