どうもこんにちは。

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 そして決め手はこれだ! 「助けてください! ここに変体がいまああああっす!」 「へっ!?」  十六夜君の全身が、驚愕の出来事により制止する。彼の突進は減速せずに急停止。  まさか防犯ブザーを使用されるとは想定外だったのだろう。今時の女子高生が、防犯ブザーを所持しているなんて誰が予測できただろうか。  加えて言えば、天木ちゃんが身につけていた防犯ブザーは、熊のキーホルダーに擬態していたのだから。  焦る十六夜君にほくそ笑む天木ちゃん。  僅かに開かれていく近所のドア。  ――追い詰められた状況! 十六夜君がとった行動は、 「必殺! 五階からダイブウウウウウウウウウあああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」  ただの飛び降りでした。  天木ちゃんは額に手を当てて一息。  熊のアラームを止めて十六夜君が飛び降りた場所を見下ろす。 「なにっ――」  五階から飛び降りたのにもかかわらず、十六夜君の姿が無かったのだ。  天木ちゃんは背筋に寒気を感じる。薄気味悪い何かが、彼女を不快にさせていく。 「大丈夫かい?」  無精髭を生やした体格の良いオジサンが、寝ぼけ眼を擦りながら言う。 「ああ……大丈夫ですよ。お騒がせしてごめんなさい」
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