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「あいよぅ。なんかあったらまた叫んでくれ」
筋肉の塊のような大男はあくびをかき、部屋のドアを閉めた。
ちなみに天木ちゃんの部屋は、大男の隣である。
彼女は鍵を開け、念願の帰宅を果たす。
「もうなんだったのかしら……」
どっと疲れた体でソファーに圧し掛かった。
☆――――☆
住宅街。
片目を長い前髪で隠したスーツ姿の男がぶつぶつ何かを呟きながら歩いている。
「天木恋香さん……手ごわい女子ですね……やりがいがあります!」
ぐっと拳を握り、開放されている右目をヤル気で燃やした。闘争本能――男たるもの女の尻を追う速さは誰にも負けない。
「しかし先ずはどう攻めるかが問題です……ストレートに攻める大作戦、ゴミ箱大作戦、もう面倒くさいからとりあえずとっ捕まえる大作戦も全て無意味に終わったのです……。いやはや、手強いかつ強敵です」
大作戦とか名乗ってますが全てゴミクソに終わってますよね。
完膚なきまでに攻略されたと言いますか。どれも小学生が思いつきそうなしょうもないものばかりですけど。
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