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シャワールームからバスタオル一枚で出てくる天木ちゃんは、棒アイスを舐め回しながらソファーに座る。
夕方、特に見たいテレビも無いが取りあえず電源を入れる。
人気のない大部屋に、バラエティー番組の笑い声が場を少しだけ明るくした。
ピンポーン。
インターホンが鳴ると同時に「お届け物です」の声。
「宅配便……私何か注文したっけ?」
眉を内に寄せ、見に覚えのない宅配便に不信感を抱く。
取りあえず簡単なキャミソールに着替え扉を開けた。
「天木……恋香さんのお宅ですね?」
「はい」
「お荷物をお届けに参りました。こ、こちらになります」
配達員が苦笑いを浮かべて半歩ほど横にズレて“ソレ”をジェスチャーする。天木ちゃんは扉をもう少しだけ開け、お荷物を見て顔をしかめた。
「うわデカ!?」
立てかけてある巨大な縦長ダンボール。
「ではサインとかいらないんで受け取ってください」
とかなんとか言いながら配達員は、巨大なダンボールを天木ちゃん宅に入れようとする。
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