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真っ正面の席に座っている天木ちゃんは、ふてくされた態度で頬杖をついていた。
視線の先はテレビ。
「えー……信じてもらえないと思いますが私、貴女を守りに来たんです」
「……また死に神界の設定を訊かないと分からない?」
「そうなります」
「続けて」
十六夜君の右目がシリアスモードに切り替わる。
いつもはケロッとしていて丸みを帯びている目はそこには無く、鋭くも真っ直ぐな眼差ししかなかった。
「私達死に神は、命守派(メイシュハ)と死送派(シソウハ)に別れていまして――命守派は、魂を故意に狩り取らず守る。死送派は、故意に魂を狩り取る死に神達です」
返事をすることなく、視線を合わせる事無く、天木ちゃんは淡々と説明を訊く。
「そして私が所属している命守派は人間の“特異点”なる魂を守る、若しくは狩り取る仕事をしています。もちろん、死送派の連中も、この特異点を狙います」
「なによそれ。二つの勢力が特異点とやらを狙って狩ってたら、どう考えても命守派が矛盾してるじゃない」
横目で矛盾点の指摘をする。
少し待ってくださいと、十六夜君は再度説明を続けた。
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