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「特異点なる魂には特殊な運命的な作用……力? まあ、そんなものが二種類あるんですよ」
イマイチ纏まらない説明に皺を作るが、ヤジを飛ばすことなく横目で聞き続ける。
「一つは――まあ、簡単に説明すれば、その特異点を持つ人間を殺すと、同時に大勢の人間が死ぬパターン。自然災害や、連続殺人が良い例ですね」
「……もう一つは?」
「その特異点を持った人間を殺さないと、逆に大勢の人間が死ぬです。天木さん、あなたの魂がまさしくこの特異点になります」
「………………私は、私はどっちなのよ」
不安になったのか、表情を曇らせた。十六夜君は、一端間を置いて静かに答えた。
「前者です。貴女が、天木恋香という存在が死ぬと、世界レベルで大量の人間が屍になります」
「もしもだけど……もしも私が死んじゃったら何が起こるの?」
十六夜君は、表情一つ変えることなく真剣なまま、彼女の質問に答をだした。
「第四次世界大戦が始まり、核を保有している国はこれを乱用。放射能で溢れた地球は、生き物の住めない土地となるでしょうね。例え核の嵐にならなくても、この第四次世界大戦で決着がついても、冷戦が永きに続き、大量虐殺等が始まったりします」
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