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「ここまで来ればさすがに追いかけて来ないわよ――ね……」
扉はゆっくりと開くが、天木ちゃんは目の前の光景にまたもや顔を引きつらせた。
息の上がった十六夜一葉君は、そんじゃそこらのB級ホラー映画にでてくるゾンビよりも、遙かにホラーをしている面影です。
彼は不気味な笑みを浮かべて、上がった息で言う、
「どうもごんにじわぁあぁああっぁ……ぜぇぜぇぜぇ……」
頬がぴくぴくと、勝手に動き出すほど消耗しているようだ。
「げぇ……」
天木ちゃんは汚物でも見るような眼差しを送る。
「……ストーカーも度が過ぎれば犯罪を犯す訳ね。いや、ストーカーの時点でもう逮捕ものなんだけど」
「私はストーカーではありません! そこだけは全力で否定させていただきますよ」
眼鏡を付けているわけでもないのに、持ち上げる仕草。カッコイイクールなイケメンを気取っているつもりですが、彼は今に至るまで“女子高生を追いかけ回して”いたんです。
時々、超イケメンな男子がとか、超可愛い女の子がストーカーだったらどうする!? なんて会話を聞くのですがとんでもない。
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