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だるそうに部屋を出て行ったセシルの背中を見つつ、小さく息を一つ落とすリーシャ
セシルと入れ替わるように入ってきた男が一人
「……本当の事を言われなくてもよろしかったのですか?」
「あら、オウル……いたの?」
「えぇ……つい先程、参りました
会話を聞くつもりはなかったのですが…」
「構わないわよ
どうせ貴方には言うつもりだったし」
リーシャと会話する彼はSSランクの魔導士であり、ギルドマスターの補佐役でもあるオウル・ガルヴァーナ
「私には、ということは他の方にはお教えにならないのですか?」
「えぇ……【白の炎術師】が一定期間ギルドに不在ってことが知れ渡るといろいろと面倒だしね?」
「そうですか……では私ができる限り彼の穴を埋められる様、尽力いたしましょう」
そういうとまるで執事のように頭を下げて、ニコリと微笑む
「そう言ってくれると助かるわ」
リーシャも笑顔で返すも、不安が滲み出ているようだった……
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