新月の章

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  「……は?」 その一言に無視を決め込もうとしていた姿勢は呆気なく崩される。 顔を上げると、少女はにこにこと此方を見ていた。 「わらしの話!今まで何処にいて、何してたのか聞きたいの」 「…何の為に?」 目を細めてそう言ってやると、少女はうーんと考える素振りを見せてからパッと輝かしい笑顔を向けた。 「私の好奇心のため!」 「……」 堂々と言い切る姿に更に俺の目が細くなる。 呆れた、という表現が正しいのか。 「…面倒臭い」 「お願い!食べながらでいいから」 「行儀が悪い」 「じゃあ食べちゃってから」 「食ったら寝る」 「さっきまで寝てたのに?」 「……」 なんだ此奴は。 じろりと視線を向けるが、気にもせずただにこにこと此方を見る。 いよいよ溜め息が漏れた。  
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