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夏休みも終わり、二学期が始まるこの季節。
それはここ西牧市も例外なく、この季節が訪れていた。
某県西牧市。
そこは周りを小さな山に囲まれながらも、人々は活気に道溢れていた。
街自体も都心とあまり差はなく、スーパーや図書館、ゲームセンターに繁華街等々、街の北に行くと辺りが田んぼに囲まれ少し田舎っぽさを感じさせる。
住宅街にある一軒家。
赤い屋根に白い壁、小さな車庫がついた小さな二階建ての一軒家。
この一軒家に住む『神崎 綾人』は洗面所で歯を磨きながら、手櫛で髪を適当に整えていた。
「綾人~、ご飯出来たよ!」
「ふぁい!」
綾人は適当な返事をして、口の中に溜まった泡を吐き出し適当に口をゆすいで、洗面所を後にする。
リビングには父親の姿は無く、早くに家を出たみたいだ。
「ほら、早くしないと遅刻するわよ」
「わかってるよ。いただきます」
綾人はテーブルに並べられた朝食に手をつけ食べ始める。
何気なくつけたTVからは、ニュースキャスターが手元にある原稿を読み上げていた。
『………でしょう。次のニュースです。昨日起こった暴力事件で昨日、容疑者として二人の少年が逮捕されました。警察は暴走族の抗争が関係あると見て捜査する方針です』
「また暴走族?物騒ね。あんたも気を付けなさいよ」
「わかってるよ、母さん」
綾人はからになった食器を台所に持っていき、二階にある自分の部屋に制服とカバンを取りにいった。
制服に着替えた綾人はカバンを背負い、玄関に向かう。
「それじゃ、いってきます」
リビングにいる母に一声掛けて綾人は、玄関を出ていった。
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