かごめかごめ。

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「!!」 いつの間にあたしの前に……。 気付かなかった。 いつの間にあたしの前に回り込んだのかしら。 何か……。 気味が悪い。 そもそも、こんな朝っぱらから一人で『かごめかごめ』をしているのも不自然よね……。 この子が噂の幽霊……? まさかね。 非現実的過ぎるわ。 そもそも、よく考えたら幽霊なんて嘘くさすぎる。 「一緒にかごめかごめしよう」 あたしの不安とは裏腹に短いツインテールを揺らしながら女の子はあたしを誘う。 純真無垢なこの笑顔が何だか怖い。 でも、この子何処かで見た事がある。 見た事があるというより、何だか凄く懐かしい。 「いや、ごめんね。 あたし、今から学校なのよ」 早くこの場を去らなくては……。 本能がそう告げているような気がした。 「ふぇ……。 ゆうと遊ぶの嫌?」 女の子、『ゆう』は泣き出した。 面倒臭い……。 だから子供は嫌いなのよ。 とくにこういう、我が儘勝手な子供はうんざりよ。 ……まぁ、あたしも似たような感じの子供だったけど。 自分とどことなく似ているから余計にイライラするのかもしれない……。
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