8人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「わかった。
わかったからなかないで。
ね?」
取り合えずゆうを泣き止ませる。
あたしはチラッと時計を見る。
適当に遊んでさっさと行けば間に合うかな……。
子供泣かしてるの見られたら、それこそあたしの評判が悪くなるわ。
そんな事になったら、あたしが今まで築き上げてきたものが消えてしまう。
これは偽善でも何でもない。
ただ単にあたしのプライドを守る手段にしか過ぎない……。
「やった!
んじゃ、お姉ちゃんが真ん中ね」
あたしの気持ちとは裏腹にゆうは無邪気に喜ぶ。
これだから世間知らずの子供は……。
本心を知らないって罪よね。
「二人で出来る?
正解率よすぎるよ?」
100%の正解率。
こんなわかりきった遊びをして何が楽しいっていうの?
飽きてしまうの見え見えじゃん。
まぁ、早く飽きてくれた方が好都合だけどね。
「大丈夫。
ゆうは負けないから。
ゆうが正解したらお姉ちゃんはゆうの友達ね」
自信たっぷりにゆうは言う。
その自信に満ちた笑みがカンに障る。
何処からそんな自信が沸いてくるのかしら。
その鼻っ柱へし折ってやりたいわ。
最初のコメントを投稿しよう!