かごめかごめ。

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「秘密だよ。 じゃあ、次はゆうの番ね」 こ、この、ガキ……。 いい根性しているわね。 自分が負けたくないんでしょ。 何て傲慢な性格してるのよ。 「わかったわよ……」 馬鹿ね。 自分もあたしの名前知らないじゃないの。 さて、ゆうがどう出るか見物よね。 泣いても知らないんだから。 「かごめかごめ……」 ゆうを睨みつけながらあたしはゆうの周りをグルグルと回る。 「後ろの正面誰?」 ゆうの後ろにピタリと止まり、あたしは不敵な笑みを浮かべる。 「優奈!」 ゆうはあたしの予想とは反してあたしの名前を答えてくれやがった。 「正解。 ……って、待って。 あたしあなたに名前教えてないわよ」 あたしの顔から笑みが消える。 そして顔が引き攣っているのが自分でもわかった。 あたしの記憶が正しければ、ゆうに名前を教えた記憶はない。 「知ってるよ。 ゆう、お姉ちゃんの名前が『優奈』って」 ゆうは無邪気に笑う。 「何で?」 得体の知れないこのゆうにあたしは鳥肌が立っていた。 「だって、ゆうも『優奈』だから」 ゆうは無邪気な笑みを崩さずに答える。 同じ名前……? だからあたしの事を優奈って言ったの? あまりにも根拠がなさすぎるわ。 同じ名前だったのは本当に偶然? もし必然だったとしたら……。
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