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「あなたは……誰?」
あたしの声は奮えている。
明らかにゆなに対して恐怖心が出てきている。
こんな子供相手に……。
「『後ろの正面』の答え知りたいの?」
あたしに顔を近づけゆうはにたりと笑った。
この顔もしかして……。
いや、有り得ないわ!
「早く教えなさいよ!」
恐怖心からあたしはゆうの胸倉を掴んだ。
「ふ~ん。
頭いいのにわからないんだ」
胸倉を掴むあたしの手をゆうが握った。
ヒヤリとしたゆうの冷たい手が、恐怖心を倍増させる。
「人をからかうのもいい加減にして!」
あたしはゆうをおもいっきり突き飛ばした。
勢いでゆうはぺたりと地面に尻餅をついた。
「……優奈だよ。
覚えてないの?
ゆうは優奈だよ……」
ゆっくりと体を起こし、じわりじわりとゆうはあたしに近付いてきた。
「あなたは……幼い頃のあたし……」
やっぱり……。
この顔は紛れも無く幼い頃のあたしの顔だ。
声も仕草も……。
あたしそのものだ……。
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