かごめかごめ。

7/10
前へ
/10ページ
次へ
「あなたは……誰?」 あたしの声は奮えている。 明らかにゆなに対して恐怖心が出てきている。 こんな子供相手に……。 「『後ろの正面』の答え知りたいの?」 あたしに顔を近づけゆうはにたりと笑った。 この顔もしかして……。 いや、有り得ないわ! 「早く教えなさいよ!」 恐怖心からあたしはゆうの胸倉を掴んだ。 「ふ~ん。 頭いいのにわからないんだ」 胸倉を掴むあたしの手をゆうが握った。 ヒヤリとしたゆうの冷たい手が、恐怖心を倍増させる。 「人をからかうのもいい加減にして!」 あたしはゆうをおもいっきり突き飛ばした。 勢いでゆうはぺたりと地面に尻餅をついた。 「……優奈だよ。 覚えてないの? ゆうは優奈だよ……」 ゆっくりと体を起こし、じわりじわりとゆうはあたしに近付いてきた。 「あなたは……幼い頃のあたし……」 やっぱり……。 この顔は紛れも無く幼い頃のあたしの顔だ。 声も仕草も……。 あたしそのものだ……。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加