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「大丈夫。
あの世には沢山お友達いるから……」
ニヤリとゆうは笑う。
「あっ……」
追い詰められたあたしは足がすくみ、背中なら倒れてしまった。
「チェックメイト」
倒れたあたしの胸元にゆうの手が近付く。
「あうっ!」
まばゆい光があたしの視界を奪う。
激痛と共に妙な感覚が全身を襲う。
ぬちゃ……
ぬちゃ……
ゆうの手があたしの胸の中をえぐる。
あたしは自分の胸元を見た。
あたしの制服は鮮血で赤く染まっていく。
「やめ……て……」
ポタリポタリ……
ゆうの手を伝って地面に血が流れていく。
まるで血のアートのようだ。
「大丈夫。
もう苦しくないから……」
そう言ってゆうは膝から倒れているあたしを片手で無理矢理起こした。
何て力なの……。
「かごめかごめ~。
かごの中の鳥は出れないのよ。
ドッペルゲンガーを見たら、死ぬのよ。
ふふふ……」
かごの鳥は出れないか。
あたしは『かごの鳥』。
常に誰かの視線を気にしていた。
まるで美しい鳥がかごの中で見られているように……。
『自由』何てあたしには無縁だったって事?
「何で……子供の姿なの……」
ドッペルゲンガーならあたしそのものがでるはず。
なのに何故あえて子供の姿なの……?
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