40人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
「フ、フレンダ…どういうことですか」
「わ、私にも分からない訳よ!好きな人と上手くいったとか?」
ヒソヒソと話す絹旗とフレンダ。
「それはわかりませんよ。大体好きな人がいるのかどうかも超微妙ですし。にしても気味悪いです」
「そんなこと言ったらダメだって!私もちょっと戸惑ってるけど…」
議論を続ける二人だが、その議論の原因となっている麦野は滝壺と楽しくお喋りしている。
と、二人の耳にも聞き逃せない言葉が聞こえてきた。
「むぎの昨日なにかあった?」
ピンと聞き耳を立てる二人。
「ん?ん~…別に何もないわよ」
と、言いながらも少し明後日の方を見る麦野。
明らかに何かを隠しているような雰囲気だ。
「も、もしかして!」
フレンダが勢いよく言葉を発する。
「好きな人と何か進展が…っ!」
ここぞとばかりにずっと怪しんでいた疑問をぶち込む。
そのフレンダの質問に、滝壺は目を輝かせて麦野を見る。
麦野に好きな人なんて…と思っている絹旗と浜面も一応麦野の答えを待つ。
四人の質問を受けた麦野は
「は、はぁっ!?何もねーよ!…はっ!つ、つーか何私に好きな人がいる感じにしちゃってるのかにゃーん?そんなやついないっつーの!」
見事にテンパっていた。
もうこれは質問を全面的に肯定しているのと同じである。
(まさか本当に麦野に好きなやつがいるなんてな…驚いた)
(にわかには信じられませんが…この反応からして、フレンダと滝壺さんが超正しかったようですね……)
(や、やっぱり私は合ってた訳よ!!でも…なんか複雑……)
(ふふ…むぎのかわいい…)
とにもかくにもアイテムは、麦野に好きな人がいるという確信と、昨日から何故麦野の様子がおかしいのかということの答えを得たのだった。
最初のコメントを投稿しよう!