運命

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小青:「白姉さま、西湖の場所は知ってるんですか?」 見通しのよい小道を歩きながら、西湖に向かっていた。 今回は長旅になるので、野宿を覚悟しなくちゃいけない。 人間の休む宿に泊まるには お金 というものが必要。 自給自足で成り立っていた私たちにお金というものはほとんどなく、物々交換だったので特に必要がなかった。 でも、野宿をするのは、西王母様の人間らしい生活というのに反する気がしてならない。 とはいえ、お金もそんなに持ってないし…。 困ったなぁ… 白娘:「うん、方角くらいならね。」 小青:「ほ、方角って…白姉さま…」 白娘:「割と大きな湖だって聞いてるから、近くまで行けば分かるかなって…」 小青:「そりゃ、時間はいくらでもありますけど…白姉さま、宿はどうされるんですか?」 白娘:「うん、そうなの…どうしよう…」 それをさっきから歩きながら考えているんだけど、やっぱり野宿しかないかなぁ…。 腕組みをしながら考えていると、小青が小さな小袋から光る物を取り出した。
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