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「今日も腹を減らして一匹の蜘蛛が♪」
中学二年の暑い夏。
私は五時間目の国語の授業をサボり、渡り廊下でひとり歌を歌っていた。
槙原敬之の『ハングリー スパイダー』
ひと通り歌い終わり、次は何を歌おうかと考えていると、
「もう一回その歌、歌ってや!」
振り返ると同じクラスのマリが、笑いながら立っていた。
話しかけられた事にビックリする私。
でも正直とても嬉しかった。
だって私、女友達ひとりも居なかったから…。
私に話しかける女の子なんて、この学校にはひとりたりとも居ないのに…。
この日からマリと私の毎日が始まるのである。
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