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”・・・。なんで顔、赤いん?”
”別に普通だし・・。”
亮二が近寄って来た。
亮二は春奈から祐介に助けてもらったのを話したらしい。
”聡江、ケガしとらん?”
ふと心配そうに見る亮二に
”手出しとらんから”
ぶっきらぼうに話す私に亮二が
からかうよう聞いてきた
” 転校生にホレた?!(笑)
” 惚れとらん、ってか
私に何の用? ”
慌てて話をそらした。
亮二が思い出したように言う。
”スクーター、パクったから
のらしちゃる”
春奈が聞いたとたん、凄い勢いで
私と亮二の前にたった。
”亮二、聡江を巻き込むなら帰る。”
”春奈、ぞんなにキレんくて大丈夫だよ?! ”
”聡江は何もわかってない。警察に捕まったらあんたの父親が何するか分かるよね?”
春奈に言われ小学校4年の時の
事を思い出した。
私は学校を初めてサボって帰ると
玄関に仁王立ちした父親が
有無を言わさず私を引きずり何をしてたか聞いてきた、私はサボってたというと父親は誰と居ったのか言えと怒り私は言わなかった。
それが虐待の始まりだった。
殴られ、蹴られ、そして最後には
両手を縛りお風呂で髪を引っ張り
湯を貯めた浴槽に顔をうずめた。
死ぬとおもっ た。
気付いた時はベッドの上で
母が泣きながら私の頭を撫でてくれてた。 母も殴られていた。
私はこの時、父親の望む良い子で
居ることを決めた。
嫌な思い出・・・。
”そうだね、私は見るだけで良いよ(笑)”
旭が心配そうに私の頭を撫でてくれてた。
ここに居るメンバーは私の過去を知っている奴が多い分、楽だった。
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