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父重元が戦から戻り、重治の報告を受ける。
この時重元は心の中で跡目を決めた。
重治には、天賦(テンプ)の才がある。
重元は、長年培った武将としての人を見る目がある。
重治は、猛将としての体力は、無いが『天才軍師』としての大器がある。
「これからもわしが留守のときには、己の才覚で菩提山城を守り通すのだ」
自分を認めてくれた父の言葉がうれしい。
『承知しました』
静かだが、はっきりした声で答えた。
その声は、爽やかで自信に満ちていた。
驕りは無い。
冷静に自分の力を評価している。
その後何度も、父の留守を狙い正体不明の野武士の軍が菩提山城を攻めて来た。
しかし、その都度重治の奇策により撃退されていた。
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