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安藤守就が、重治の策を止めたのには、訳がある。
「わしの動員兵力は、最大約2千。
竹中の兵は、せいぜい100人強。
合わせても2千数百人。
一方、戦となれば、美濃国主斎藤家の動員兵力は、1万を越えるだろう。
いくら半兵衛殿に策があるとはいえ、わずか16人の手勢では、無理がある。
竹中は、せいぜい5千石。斎藤は、40万石以上勝ち目はあるまい。
稲葉山城は、城とは名ばかりの砦とは違い、あの道三殿が、自信を持って築いて以来、織田の攻撃を何度も防ぎ一度も落とされたことのない難攻不落の要塞。
格が違う。
どう考えても勝ち目は、あるまい。
わしに相談した後思い直して諦めたかも知れん...。」
美濃を知りつくし数々の修羅場をくぐり抜けてきた守就だからこそ、ことの難しさを理解していた。
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