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『これより稲葉山城を急襲占拠する』
竹中家臣は、重治の言葉に驚愕した。
『稲葉山城は、外部からは難攻不落。
だが我は、城内を知りつくしている。
夜襲は、想定外、ましてや、内部からの攻撃が、あるとは、誰も考えていまい。
油断が仇となる。
敵の虚をつくのだ。
闇が我らの味方となる。
守番頭 斎藤飛騨守を我が打つ、向かって来る者は、切り捨てよ。
だがそれ以外は、あえて逃がすのだ。
大声で偽りの情報を触れ回れ!
多勢に見せ、正体を決して悟らせるな。
敵を混乱させるのだ。
要所を抑え、城を我らの支配下に置く。
これは、謀叛にあらず。
あくまでも、龍興様をお諌めすることが目的である!』
静かだが力強い重治の奇策に、一同は、頷いた。
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