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「敵襲!」
守番頭を重治が倒し、平治、城の守備に当たっている守番は、竹中の兵に斬られるか、逃げ出していた。
城内は、騒然となっていた。
「織田軍に囲まれた」
「いや武田の攻撃か」
「まさか浅井の兵に攻め込まれたに違いない」
混乱に拍車が掛かる。
「稲葉山城は、すでに落ちた。おとなしく降伏せよ」竹中の手勢が、叫ぶ。
闇夜は、恐怖を倍増させる。
敵の数も正体も分からず、情報が錯綜している。
刀を持たず慌てて城を脱出する者が相次いだ。
重治は、沈着冷静に国主龍興の所在を確認すべく城内を油断なく移動していた。
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