2将 稲葉山城奪取

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 守就は、狐に摘まれた気分であった。 「まさか本気で、やるとは」  半信半疑で、2千の兵を連れ待機はしていた。  策略が失敗した時の手立ても考えていた。  だが、わずか数時間。 「いとも簡単に成功させるとは。  己は、竹中半兵衛という男を過小評価していたらしい。  自分が思っていた以上の知略の持ち主でありまさに天下一の天才軍師」  合図の鐘が鳴った時、我に帰った。  家臣を引き連れ、重治の支配下にある稲葉山城に入る。  重治が出迎えた。 『御加勢ありがとうございます』  沈着冷静な態度、  平時と変わらない重治に守就は、駆け寄り興奮して手をとった。 「婿殿、よくやってくれた。  夢をみているようじゃ。  今だに実感が湧かない。  だがこの稲葉山城は、婿殿の手に落ちた!!!」  喋る言葉に更に興奮して、守就は、続ける。 「天下の稲葉山城が手に入ったのだ。  先のことは、いくらでも相談に乗るぞ」  勇将の血が騒ぐのは、止めようが無かった。  重治は、静かに微笑み守就を見つめていた。
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