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この時重治は、近隣諸国の侵略を警戒していた。
しかし、重治の神憑った知略を恐れてか、この時期他国が進軍してくる気配は全く無かった。
尾張の織田信長は、今まで自分が攻め落とせなかった稲葉山城をいともたやすく落とした重治を称賛したと同時に恐れた。
「竹中半兵衛が天下を望むなら、織田軍にとって最大の敵となるであろう。
また織田軍の軍師に迎え入れることが出来れば、神の采配が手に入る」
信長は、稲葉山城の明け渡しを条件に、美濃半国と織田の軍師として迎え入れる準備をして重治を取り込むべく使者を使わした。
一方稲葉山城の重治は、天守に篭り書物を読み耽っている。
合間に外を眺めては、『これが天下人の視野なのか』と沈着冷静に真理を見極めていた。
守就は、
「婿殿は、何をお考えか?」と落ち着かない。
城内を歩き廻りうろうろとしている。
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