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美濃国主斎藤龍興は、鵜飼城(ウカイジョウ)に落ち延びていた。
そこに重治からの使者が遣わされた。
『稲葉山城をお返ししたい。
条件は、良政を行うこと。
今回の城奪取は、我一人の策謀なり。
弟久作や竹中家臣や舅安藤守就は、それに巻き込まれただけであり全ての責任は、我にありまする。
家督は弟久作に譲り我は謹慎を兼ねて隠居しますゆえ、一族にはお咎めなきように』
龍興は、重治の知略を恐れ、疑っている。
織田氏が接触したとの情報も入っている。
「そのような条件ならすぐにのむ。
だがまだ何か策略があるのではないか?」
疑い初めると、きりがない。
重治は、
『信義に従って、城をお返しする。
ただそれだけのことにございます』
龍興は、重治の知略を恐れながらも選択肢はない。
主導権は重治に有り受け入れる以外に道は無かった。
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