2将 稲葉山城奪取

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「婿殿、本気か?」  守就は、諦めきれない。  織田氏の破格の申し入れを断り、守就の後ろ盾で調略を進め勢力を広げることも拒絶した。  国主龍興に稲葉山城を返還するにしても、条件無しで帰すとは考えてもいなかった。  それに見合った領地を要求することも可能なはずであった。  しかしながら、重治は、一族の安全を守る為、自ら責任をとり家督を久作に譲り隠居すると決意していた。  話がまとまると重治は、淡々と準備に取り掛かる。  まず稲葉山城を塵ひとつ無いように清掃させる。  次に菩提山城への撤収の準備に掛かる。  その行動は一貫性があり、ぶれることは無かった。  冷徹なる眼差しに冷静な態度その姿は、欲にまみれた世界とは無縁で爽やかであった。  そのような重治を見つめ守就は、 「やはり『無欲無敵』の『天才軍師』は常人とは、行動が掛け離れている。  凡人には、とても真似出来ない...。」  守就は、ある意味、清々しささえ感じていた...。
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