2将 稲葉山城奪取

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 菩提山城に戻った重治は、 『竹中の家督は、久作に譲り渡す。我は、隠居して栗原山に篭る』  これには、皆が驚きあわてふためいた。  早速舅守就が、止めに入る。 「婿殿は、まだ21歳ではないか。隠居は、早過ぎる!」  しかし、重治は、冷静な眼差しで、守就を見つめ答える。 『稲葉山城の天守からの眺めは、絶景でした。  これが、天下人の望む景色なのかと。  確かに高揚感は、ありました。  しかし、先の短い軟弱な我が、この城をこの国を自ら治め続けるのは不可能。  虚しくなりました。  己の矜持に従って、国主龍興様に城をお返しして、良政が行われるかを見極めたいと考えています。  隠居しても、変事が起きれば、駆け付けますゆえ何卒お許し下さい』  頭を下げた。  ここまで言われると守就も従うしかなかった。
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