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一夜にして出来た墨俣城は、急ごしらえの小さな砦であったが、美濃の諸将に大きな動揺を引き起こしていた。
農民出身の苦労人、木下藤吉郎は、大抜擢されて、美濃攻略の責任者として墨俣城を任されていた。
一方、隠居している重治は、藤吉郎の人柄に惹かれ次に織田氏からの誘いがあれば藤吉郎軍の軍師となることをひそかに決意していた。
沈着冷静な眼差しは、目まぐるしく変わる天下の情勢を見極め、新たに己の進む道を踏み出そうとしていた。
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