天使は見ていた
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その少年は、クリクリとした屈託のない瞳でいつも俺の事を見ていた。 俺が高校の帰り道などに悪事を働こうとすると、不思議な事に、必ずどこにでも幽霊のように現れ、そして悲しげな表情で、俺の事をただ、ジッ……と見つめるのだった。 当然、俺の中の悪魔は一瞬で興ざめし、俺はさっと現実へと引き戻されてしまう。 それは何度も何度も……それもほぼ100%の確率で現れるのだった。
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