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俺の心の奥底に、砂のような苦い感情が染み込んできた。
「やっぱり、天使なんていないんだ……」口からは思わず本音が突いて出ていた。
やはり俺は信じていたのだ。こんな目にあってもなお。
だがそんな俺は、ただのバカでみじめな男に過ぎないと思い知らされた。
少年は手を掴まれたまま、やはり、あの大きな目でジッ……と俺を見つめている。
俺は溜息混じりでその場に座り込むと、やや大人振りながら、なぜそんなに俺に付きまとうのか? と訪ねてみた。
すると少年は、あんたの方がいつも俺の目の前に急に現れるんだ、と言い出した。
なんだって?
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