天使は見ていた

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 俺が首をかしげながら聞き返すと、少年は涙目になりながら話し始めた。  あんたは僕が悪い事をしようとするといつも現れる。  まるで常に見張っているかのように。  それで、この間、ついにあんたに怒鳴られたから、それで良い子になろうとしてたんだ。と言った。  その時、綿のように白い羽がハラリと、二人の間を舞いながら落ちて来た。  俺はふと空を見上げた。  やはり、そこには天使の姿はなかった。  だが、俺には確かに見えていた。  雲の谷間で、俺に優しく微笑みかける天使達の姿が。  俺は少年の肩を優しく抱き寄せると、天にも響く程の大声で笑った。
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