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所変わってここはベルカ自治領 聖王教会にある礼拝堂の聖王像の前…そこに
「………………」
瞳を閉じ手を組んで祈りを捧げているシスターが一人居た。彼女の名はディード…三年前に聖王教会に来た駆け出しのシスターなのだが…その信仰心はシスター一とも言われている
「…………ふぅ」(ディード)
と一息ついて立ち上がる
[ディードちょっといい?もしかしてお祈りの最中だったりする?]
そこに念話が入る…ディードとその姉と同時期に教会騎士のカリム・グラシアの執事として入ったオットーからだった
[たった今終えたところよ…オットー](ディード)
[それはベストタイミングかな?実は報告が二つあるんだ、ご機嫌な方と仕事絡みの方…どっちから聞きたい?](オットー)
[じゃあ……ご機嫌な方から聞かせて](ディード)
[今日入った茶葉とミルクが今月一番の良い出来なんだ、シスター達のティータイムを楽しみに](オットー)
[ん、楽しみにしてる…それで仕事絡みの方は?](ディード)
[ティアナから捜査資料の調査依頼が来たんだ…](オットー)
[あら、ならすぐ取り掛からないと…それでどんな資料なの?](ディード)
[それが…古代ベルカ関連の文献調査なんだけど…該当するのがボクの知識にないんだ](オットー)
[オットーの知識にない?珍しいわね…それならヴィヴィオやお姉様方に手伝って貰えたら良いのだけど](ディード)
[ヴィヴィオは学生でいらっしゃるし姉様方も部隊のお仕事がお忙しいだろうから…取り合えずボクは皆のティータイムが終わったら無限書庫に行こうと思うんだ](オットー)
[そうなの…ところで騎士カリムには?](ディード)
[これから…と言うか、今から](オットー)
同所 カリムの執務室
コンコン…
「どうぞ、入ってオットー」
ガチャ
「失礼します騎士カリム…お茶が入りました」(オットー)
「ありがとう。それにしてもオットー執事服が板についたわね」(カリム)
「ありがとうございます」(オットー)
「それとディードのシスター服もね」(カリム)
「まぁ彼女自身もここのシスターに憧れを抱いていた所がありますから…どうぞ」(オットー)
と紅茶を入れたカップを置く
「ありがとう…うん、良い香りだわ」(カリム)
「今月一番の茶葉でしたのでまたひとしおです。それで騎士カリムこれから外出許可を頂きたいのですが…」(オットー)
「あら?どこに行くの?」(カリム)
「東野執務官から依頼された資料調査の為、無限書庫に」(オットー)
「そう、行ってらっしゃい。気を付けてね?」(カリム)
「はいではボクの留守中あなたの護衛と秘書はディードが代わりに致しますので」(オットー)
「分かったわ」(カリム)
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