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午後3時12分・小樽駅ー。
駅のホームでは、遼のスマートフォンの通話相手になった男・柴田 右京(シバタ ウキョウ)と娘である朝里(アサリ)が列車を待っていた。
「お父さん、まだ着かないね」
「…そうだな」
二人は親子の会話をしながらひたすら列車を待ち続けたーー。
ーーーーー
その頃、駅へと向かう列車の中には、一人の少女・新藤 琥珀(シンドウ コハク)は車内の窓から海を見ていた。
ブー、ブー、ブー……。
膝の上に置いてあるバッグの中に入っている携帯電話が鳴り出し、琥珀はバッグから携帯電話を取り確認すると、一通のメールが受信されていた。
『今、どこら辺にいますか?早く琥珀に会いたいな。あ、お父さんも一緒だよ!』
(あさちゃんったら、もう……)
溜め息をつき、携帯電話の電源を切りバッグの中にしまうと、再び車内の窓から海を見つめたーー。
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