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「…ど、どうし、て…」 みっともなく、声がうわずる。 「…本山くんに聞いて。」真っ直ぐにおれを見て、唯がポツンと言った。  「…傷は?」 「あ、あぁ…、ねんざだよ、ただの。」 「大会には?」 「余裕で間に合うさ」 唯に、心配されたくなくて、強がってしまう。  強がりながら、一歩踏み出した瞬間、 「ッ…てぇっ!」 ぐらっと、よろめいて、あわてて支えようと手を差し伸べてくれた唯に身体ごともたれかかってしまった。  唯が、小さく声を上げた。  だけど、おれを突き放そうとはしないで…。 「あ、のさ…」 おれの胸のとこにある、唯の頭に向かって、ようやく声を出した。  朝のことを謝ろう、そう思ったのに、 「おれ、一人じゃさ、親父は物足りないと思うんだ」  唯が、ぴくりとする。でも顔はあげない。 「やっぱさ、一緒に行こうぜ、墓参り。大会、終わったらさ」
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