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 朝、7時45分。  朝飯を、かきこみ、学ランをひっつかんで、家を出る。母さんは、もう仕事にでかけている。いつも通り、鍵をかけて、チャリンコにまたがる。  そのとき、隣の家のドアが開いた。 「おはよ、陽。」 「おう、遅刻すんぞ。」 「わかってる!早く行こっ!」  そう言うと、唯は自分のチャリンコにまたがり、さっさとこぎはじめた。  ふわりと、唯の髪がなびくと同時に、シャンプーの匂いが鼻をくすぐった。  あれから、…親父が死んでから、八年がたった。おれと、唯は、高校3年になった。  
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