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言い訳するヒマもなく、もちろん、ホントの気持ちを言う勇気もヒマもなく、唯は、スピードを上げて、角を曲がっていってしまった。
またやっちまった…。
いつもこうだ。おれは、唯の優しさがわかっているのに、そしてそれを何より喜んでいるのに、素直に伝えられない。
こんなおれが、唯をほしいだなんて…やっぱぜいたくなことなんだろうか…。
上り坂でもないのに、重く感じるチャリンコのペダルを、でかいため息を一つついてから、おれは何とかこぎだして、学校に向かった。
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