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公園の花壇に植えられてある撫子がつきの光を浴びて昼間より一層綺麗に見える。
ベンチに座ったままの私たちは、話すことも無くただただそこに座っていた。
帰ろうかと考えてるところで飃藤 轟が話始めた。
「今日、コクられてただろ…
あいつ、無言で断られたって泣いてたぜ」
そう言って笑う轟。
何故か、
無口で有名な飃藤 轟が喋って、
無表情で有名な飃藤 轟が笑った。
クラスの人に何度も何度も言われてきた私は自分でも知らないうちにそれを常識だと思っていた。
だからこそ、今、驚いていた。
表情には出さなかったが、異様なまでに驚いていた。
「驚きもしないのか?
クラスの奴がよくお前の話をするけど、話のまんまだな」
「驚いたよ。
ただ、癖で……」
「癖か…」
無表情が癖なんて人からみれば改善すべき所だろう。
だからこそこれは正しい質問だった。
「癖なら治せば良いじゃないか?
無表情が癖になるって、どんな生活だよ」
「ただ、
親といたらこっちの方が過ごしやすかっただけ」
それが、私が親を嫌いな理由でもあった。
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