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宇宙船の中は常に栄養が放出され、腹が減ったりすることはなかった。
宇宙船に乗って、数週間が過ぎた。目の前に奇妙な惑星が見えてきた。人の顔に見える惑星だ。宇宙船の人口知能でこの星の情報を調べるとこの星の名前は[カオス]と表示されていた。さらに生物について調べると、多種多様とだけ表示された。危険度も調べたが地球とほぼ同じと出たので安心し、宇宙船は[カオス]へと降り立った。
外へ降り立つ時、私とワン太が適応できるかどうか宇宙船で調べ、[OK]が出たのでカオスの大地へと降り立った。
まず最初に感じたのは空気だ。降り立った場所が、ジャングルのような場所だけあって、草木や土の香りが鼻をつく。しかし、湿度があるせいか、どこか重苦しい雰囲気がジャングルに漂っている。
科学者と言えばインドア派のイメージがあるかもしれないが、私はアウトドア派だ。
休みなどがあるときは常に外に出かける。そして、様々なスポーツやキャンプなどを積極的に行っている。なので、こんな何も分からない星に自分とワン太だけ降り立っても不安よりも好奇心の方が勝った。
ワクワクしながら、カオスのジャングルを踏みしめていると、〈ぷに〉と何か踏んづけた。
私は咄嗟に身をその場から離れた。「何だ、あれは」
20cmぐらいの人間の目玉みたいな物があり、瞬きをしている。そして、その目玉には数百と思える足があり、素早く移動し私から逃げようとしている。
私が、呆然としていると、ワン太が私の横から勢い良く飛び出し、その足つき目玉をガブリと、くわえこちらへ持ってきた。ワン太はハアハア言いながら尻尾を勢い良く振っている。
私が戸惑っていると、ワン太は仕留めた目玉を湿った地面に置き「ワン」と一吼えした。
これは、私が教えた食べてもいいか、の合図だ。それを見て私はこの目玉が食べられることを知った。
私は、ワン太に待ての合図をし、その食べ物をワン太と半分にして食べてみることにした。
生で食べるのは流石に少し抵抗があったので私は近くの石を使い火をおこした。そして、目玉を串に刺し焼いた。
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