微睡みの夢、現の朝

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……だがまぁしかし、それは最善例であり実際にそれが出来るわけではない。 むしろ過半数は暖かな布団にくるまってまどろんでいたいだろう。そうであろう。 「ん……朝か…あと五分…」 そして布団にくるまる彼もまた然り、ようはダメ人間の類だ。 すると扉が開き、一人の女性が中の様子を伺い、布団にくるまる彼に歩み寄ると体を揺すり起こそうとし始めた 「起きぬか、起きよ主(あるじ)」 「むぅ……後大熊座が北極星を食べるまで…」 「…いつまで惰眠を貪るつもりよ…」 呆れたようにため息をつき、次に窓へ行く カーテンを開け降り注ぐ朝日をさんさんと室内へ取り込み容赦のない声で吠えた 「さっさと起きぬかッ!! もう日は昇っておるぞ!」 「~~~ッッ!!?」 大砲、或いは噴火か そう見紛うような大声で渇を入れると流石に芯まで響いたのだろう、布団から飛び起きた。 驚きのあまり布団の上に座り込み唖然としてる。
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