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女の子は大きなお屋敷の門の中に入ると 、少女に、大広間へと招かれます。
大広間だけでもとてつもなく広いのに、少女はたった一人で掃除をしているのです。
女の子はそれを見かねて手伝います。
大きなお庭に咲いている沢山の薔薇達の手入れも手伝っています。
その度に少女は虚ろな表情で小さくお礼を言うのでした。
女の子はそれが嬉しくて、毎日毎日少女のお手伝いをしています。
ある日、女の子は思いきって聞いてみました。
「ねぇ、何で此処には貴女しか居ないの?お父さんは?お母さんは?」
女の子は言った後で気付きました。
"聞いてはいけない事"だったかもしれないと思ったからです。
それに対して少女は何とも不思議な対応をします。
口の端を少しあげて微笑したのです。
でも本当に微かな微笑。
目は笑って居ません。女の子はそれに気付きません。
でも少女が何も答えないので不安になってきました。
「あの…ごめんなさい。」
少女は首を横に振り、起こってないことを示します。
女の子は安堵して、「よかった」と言うのでした。
あら、よくはないのよ
毎日の様にお屋敷へ行っているとお屋敷の大きさにも慣れてきて、まだ足を踏み入れてない所にも"行きたい"と思う様になりました。
"お屋敷の裏の方に行ってみたい"
実は門から裏に当たる場所で、あそこにもお庭がある様なのです。
女の子は"あそこにも沢山の薔薇があるに違いない"と思い、わくわくしました。
そして女の子は黙って裏庭に行って見る事にしました。
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