薔薇少女1ー3

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女の子がお屋敷へと到着し、お庭へと足を運んだ時でした。 目の前には 赤い鳥の 残骸――― 女の子は頭が頭の中が真っ白になり、ただただ呆然としていました。 お庭にあるカゴを見ると扉が開いているではありませんか。 しかし青い鳥はカゴの中でじっとしています。 赤い鳥を見つめながら。 赤い鳥は薔薇に囲まれ、まだ新鮮な血を薔薇達に滴らせていました。 女の子はその光景を見て心底震え上がりました。 女の子が何とも形容しがたい恐怖にじっと耐えていると、そこへ少女が静かに歩み寄ってきました。 女の子は少女に気付きましたが、今は話しかける気力もないようです。 少女はそんな女の子に構わず、静かに語り始めました。 ――赤い鳥は牢獄から抜け出しました。 ――青い鳥は言いました。 ――「私も助けて」 ――赤い鳥は言いました。 ――「愚かね」 ――逃れ得ぬカゴから抜け出した赤い鳥は捕まって永遠の拷問を受けた。 女の子は聞いた後で、はっとして少女を見ました。 さて、 青い鳥は何て言ったかしら? 女の子は少女に問いただしました。 「あの小鳥は…?」 聞いてみると朝に少女が外に出ると、既にあの様な悲しい屍に成り果てていたと言うのです。 「そんな…」 女の子は哀れな赤い鳥に再び視線を投げ掛けました。 そして少女が言った物語の続きを頭の中に思い起こさせて、繰り返し繰り返し思考を回転させました。 鳥カゴ か 拷問 ど ち ら が 幸 せ ?
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