34人が本棚に入れています
本棚に追加
ある休日の昼下がり、街中を行き交う人混みをすり抜けて、凛と歩く一人の少女がいた
長い銀髪はほんのり赤みがかり、それを頭の高い位置で結い上げて風になびかせる、青眼の少女
ブーツの硬い音を一定のテンポで鳴らしながら真っすぐに歩いていく
そして、足を止める
『…ここかぁ』
入り口も、壁も、全てが白で塗られた巨大な建物
その入り口の横に立て掛けられているボードには
【ゲルテナ作品展覧会場】
しばらくその文字を見ていた少女は
ブーツをならして
館内へ入っていった
最初のコメントを投稿しよう!