第二章・―想い―

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 ちょっとした不注意で、無理をして身体を酷使していた事にも、不調のサインにも気付かず仕事先で倒れて病院に運ばれた。  恥ずかしい話だけど、治るまでの間何もかもしてくれる病院の生活も悪くないと、独り身の俺は密かに思っている。  カーテンを開けると、窓際のベッドに月明かりが射し込んで、何故か握りしめていた手のひらをひらくと、そこから淡い光が揺らめいた。  ……あ、ホタル?  時刻は既に、深夜に近い。消灯時間はとっくに過ぎているし、独り言を盛大に放つ趣味もなくただ思う。  外に出ても季節は冬で、ホタルなんていないだろう。  なら、あのホタルはどこからきたんだろう?
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