第二章・―想い―

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「俺、君とどこかで逢った気がする」  馬鹿な考えだと思いつつ、言わずにはいられなくて口にすると、彼女ははっとした表情で応えてくれた。 「私も。……だから、ずっとお話してみたいと思っていました」 「ねぇ。俺の話、聞いてもらったよ?」  今度は彼女の過去を知りたくて、意地悪っぽく微笑んでみる。  すると彼女も照れくさそうに、僅かに俯くと全て話してくれた。  彼女はちょっとした怪我が原因で、この病院にきたらしい。  身寄りは母親しかいなくて、ずっとバイトをかけもちして生計を立ててきたと教えてくれた。  ああ。今まで苦労してきたんだな。彼女には幸せになって欲しいな。俺が、幸せにしてあげたいな。
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