第二章・―想い―

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 考えていると、彼女が思い出したように問いかけてくる。 「ねぇ。……生まれ変わりって、信じる?」 「え?」  いきなり突拍子もない事を言われて顔を上げたけど、どうやら彼女は本気のようだ。  表情は至って真面目なもので、ホタルの光を見詰めながら続ける。 「私にも、痣があります。手術なんてした覚えがないけど、手術した跡のような痣がお腹に」  そうしてこんなお話皆に馬鹿にされるなと思って、今まで誰にも打ち明けた事がないんだと、恥ずかしそうに教えてくれた。  その話を聞いた瞬間、脳裏に甦る“何か”。夢の光景だろうか、彼女と、見知らぬ“彼女”がダブって見える。
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