第二章・―想い―

13/15
前へ
/30ページ
次へ
 俺達はずっと、長い時をかけて、二人再び愛し合うためにお互いを探し続けてきたんだ。  また、“生きて”出逢うために……。  ゆらゆら、ゆらり。“彼女”が提げていた提灯のように揺らめくホタルの光。いつの間にか揺れて、そしてそこにはいなくなっていた。  ホタルの光は“命の光”だ。  かつて里に迷い込んだ俺に、“彼女”がそう、教えてくれた。  彼女が笑う。俺も笑う。  ようやく出逢えた。これからも絶対に、二度と、どんな辛い事があったとしても繋いだ手を離さない。  深く深く、唇を重ねてお互いが幻でない事を確かめる。  ああ、どこかで聞いた声が響いた――。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加